【レポート②】ICNIM2018公開シンポジウム「HPVと子宮頸がん、食品の役割」について

前回に続き、7月21日、22日の2日間にかけて開催された、統合医療機能性食品国際学会(ICNIM)の公開シンポジウムについてレポートいたします。前回の記事はこちらをご覧ください。

前回の記事では、「子宮頸がんを予防・早期発見する方法」についてお届けしました。

今回は、大阪大学大学院医学系研究科統合医療学寄附講座の大野智先生の講演内容について「私たちが自分で情報を集める時に気をつけるべき視点」をポイントにレポートいたします。

 

 “効く”とはどういう事か? ~情報の見極め方を学ぶ~

子宮頸がんに限らず、家族や自分が病気になったら、さまざまな治療法や医薬品、治療のサポートとなり得るサプリメントや適切な生活習慣などについて調べるものですが、私たちが接する多くの情報の中には正確さに欠けるものや虚偽、誇大な表現と取れるものも存在します。

ある治療法が「効く」、「効果がある」と言うためには、その裏付けとなるエビデンス(=科学的根拠)が必要です。

例えば、ある物質の機能に関する評価をするとき、細胞や動物の実験で良い結果が出ていても、それがヒトで同様の働きを示すとは限りません。

従って、科学的に適切な試験法で実施されたヒト臨床試験で得られるエビデンスは、医薬品の開発でも重要なステップにあたり、信頼のおける情報であると言えます。

現在、医薬品に限らず食品においても、世界中で様々な研究が行われており、情報を手に入れるためには新聞やテレビ、インターネット等があります。

しかし、大野先生の言葉をそのままご紹介すると、「メディアによっては、“いかに世の中にインパクトを与えるか”を重視して広告が作られる場合がある」ということでした。

それゆえ、情報の受け手である消費者自身が、確かな目で判断し、情報の確実性を見極めてほしいと強調されました。

 

確かな情報を得るためには「信頼のおける情報源を選択する」ことや、「情報を見極める方法を知る」ことが重要です。

大野先生は、今回開催された公開シンポジウムや市民公開講座なども信頼のおける情報入手ルートとして大事であるとおっしゃっていました。

新聞記事やテレビの報道、インターネット上の情報など、現在私たちの周りには情報が溢れています。その情報を鵜呑みにするのではなく、正確さを見極める力を付けることが必要な時代となりました。

情報を入手するための選択肢については、大野先生の過去のインタビュー記事が参考になります。是非ご覧ください。

http://ahcc-club.com/interview17_ohno1/

http://ahcc-club.com/interview17_ohno2/

 

次回はテキサス大学 McGovern Medical SchoolのJudith Smith先生が講演された「HPVに関する最新の研究内容」についてレポートします。