【レポート③】ICNIM2018公開シンポジウム 「HPVと子宮頸がん、食品の役割」について

前回に続き、7月21日、22日の2日間にかけて開催された、統合医療機能性食品国際学会(ICNIM)の公開シンポジウムについてレポートいたします。3回にわたってお届けしてきたレポートも、今回で最終回です。前回の記事はこちらをご覧ください。

今回は、テキサス大学 McGovern Medical Schoolのジュディス・スミス先生の「HPVに関する最新の研究紹介」をお届けいたします。

 

最新の研究報告と共に先生が伝えられたこと

世界の女性がかかるがんで、2番目に多いのが子宮頸がんと言われています。子宮頸がん最大の原因とされるのはHPV(ヒトパピローマウイルス)です。

現在のところ、HPVに感染してもそれを治療する方法はなく、自分の免疫力で自然にウイルスが消失するのを待つしかありません。スミス先生はHPVとAHCC®の研究を長期に渡って進めていらっしゃいます。

 

今回の公開シンポジウムでは、スミス先生がこれまで行ってきた研究成果と今後の計画に関する講演が行われました。

 

今回のICNIM2018の年会では、この研究報告が「優秀研究報告賞」に選ばれました。この研究には米国国立衛生研究所(NIH)からの助成金が支給されており、今後の成果に大きな期待が寄せられています。

スミス先生が研究室で試験管レベルから始めたこの研究は、現在、ヒトを対象にした臨床試験へと規模を広げ、研究成果の質を高めています。現在、HPV感染の治療法がないことから、この研究成果は多くの人の希望となる可能性が高くなっています。

 

スミス先生は、研究を続けてきて今感じていることについても率直にお話しされました。

 

「AHCC®の研究に携わってきた10年間、研究チームの面々にもたくさんの協力を得て、あらためてAHCC®の可能性を感じている自分がいます。

研究者としていつも懐疑的に物事に接し、最良の答えを求めて実験に力を入れています。私はHPVを根絶したい一心です。

今も子宮頸がんで若い女性が亡くなっているわけですから、その阻止に貢献したいと思っています。」

 

また、今回の公開シンポジウムについては、

 

「とても有意義な会になったと思います。

生活習慣を改善するために多方面からのアプローチを行うことや、HPVにおいて、ワクチンやAHCC®などを使用することには大きな役割があります。

このような知識を多くの方が共有し、HPVの根絶に向けて皆が一緒になって学んでいくことを期待しています。」

と感想を述べられました。

 

今回の公開シンポジウムを通じて、「子宮頸がん」の原因にはHPVというウイルスが関係していること、また、HPVは女性だけでなく男性にとっても身近なウイルスであり、子宮頸がん以外のがんの原因にもなり得ること、日本ではまだHPVについての認識が低いことを知りました。

女性に限らず男性もHPVに関する知識を深めることで、より良い生活を送るための方法を知る事ができます。是非、多くの方に聞いて頂きたい貴重な講演でした。

ICNIMで発表された演題などにつきましてはオフィシャルホームページで確認いただけます。

併せてご覧ください。

http://icnim.jpn.org/conference/program.php