まずは研究員が「自分で飲んでみる」~新しい製品を開発する現場の最前線から~<後編>

前回に続き、株式会社アミノアップ化学 研究部部長/品質保証室室長の西岡浩さんにお話を伺いました。

―「まず自分の身体で試すこと」を大切にされているということですが、健康食品の研究も複雑化していくのでは?

そうですね。とくに免疫の分野というのは、身体の色々なところに関わっていますので、未知の効果、機能性というのがまだまだ、私たちも見いだすことが出来ていないものがあるんです。そういったところを探求していきます。

 

-あらゆる物質を多面的に見て、新しい作用を見つけていく、という事なのですね。

私たちは、ある物質に対して、ひとつ良い効果を発見したならば、それ以外にもおそらく良い効果があるのではと考えます。ですが、それを全部残らず拾うには膨大な時間がかかってしまいます。

ですから、まずはその物質の”主な効果で研究する”という考え方をします。そして、それ以外の効果は、さらに研究を重ねれば重ねるほど出てきます。つまり新しい機能性や作用を見つけていくことになります。

薬でも「適用拡大」といって、効き目の幅が変わる事はあるのですが、実際には薬は規制の問題がありますから、簡単ではないのです。

 

-研究員の皆さんはお持ちの経歴や背景もそれぞれ違い、視点も異なるのでは?

弊社の研究員には、農学部、薬学部など様々な出身者がいます。つまり遺伝子に強い人間がいれば、動物学を学んでいた人間もいますので、バックグラウンドがそれぞれ違うんですね。ですので、個々としてはやはりバックグラウンドに基づいた興味を持ちますよね。

私がよく言っているのは、研究は”趣味”だと(笑)

自分の好きなこと、興味のあることをして、そして会社にも社会にも貢献できるのですから、こんなに喜べる、幸せなことはないだろうと思うし、他の研究員達にも伝えているんですね。

自分がしたくて、研究の道に進んだわけですから。最高な状況にいるんだと思っています。

 

-研究室は、若い社員の方も多い部署と伺いました。

研究部の生化学研究室(=新素材を研究する部署)ですと2年目、3年目の社員の割合が多く、そのうち女性が3割ほどいますね。

また今、会社の人材育成の一環として、医学の博士号を研究員に取得させるチャンスを与えています。医学で博士号を取得すると聞くと、お医者さんをイメージするかも知れませんが、お医者さんと医学の博士号は別です。(お医者さんになるには医師免許が必要です。)

医学分野などの深い知識を持つ良い人材を育てて、良い製品を作り続けていきたい。これがアミノアップ化学としての想いと言うことですね。

国内外でAHCC®の研究は進んでいますから、今後もっと若手研究員が育ち、積極的で活発的な研究を今後も続けられる体制を作っていきたいですね。

 

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西岡さん、今回も研究にまつわる詳しいお話をありがとうございました。

アミノアップ化学では若手研究員、若手社員が多数活躍中です。これからもAHCC®の製造と日々の研究に、一同力を入れて参ります。

次回の記事も、どうぞお楽しみに!