2016年11月26日(土)、東京でAHCC研究会主催の市民公開講座を開催いたしました。
帝京平成大学の久島達也先生と、元テレビ朝日アナウンサーでがんサバイバーでもいらっしゃる山口容子さんに講師を務めていただきました。
100名以上の皆様にお越しいただき、皆さん熱心に耳を傾けていらっしゃいました。
今日のブログではその様子をお届けいたします!
<第1部>心と体は支え合って強くなる~AHCC最新情報より~
第1部は、帝京平成大学大学院 健康科学研究科 教授の久島達也先生にお話しいただきました。
久島先生は帝京平成大学で教壇に立つ傍ら、大学付属の帝京池袋鍼灸院 鍼灸臨床センター(東京都豊島区東池袋2-51-4)での診療も行われています。鍼灸院では、東洋医学、西洋医学の考え方を取り入れた鍼灸治療が患者さんに大変喜ばれているということです。
この日、久島先生は「自律神経と免疫」について大切なことをお話しくださいました。
東洋医学の考え方
東洋医学と言えば、漢方を思い浮かべます。しかし、実際には漢方薬のことだけを指しているのではないそうです。蘭方医学(オランダから来た医学)に対して、中国から来た医学で東洋医学という言い方をします。
東洋医学では、漢方薬のほかにも湯液、鍼灸、金瘡(きんそう・外科のこと)、按摩(あんま・手技のこと)、養生(生活指導のこと)といった手段、用語があります。
「養生しましょう」という言葉の意味はここから来ているのですね。
東洋医学には、「心身一如」との言葉があります。心と身体は同じという考え方が東洋医学の根底にあるということです。
1つの病気・不調は常に身体の他の部分の不調とつながっている
未病、という言葉をご存知の方も多いと思いますが、久島先生は「未病」にもいろいろあるのだということをおっしゃいました。
そして、未病の時間が長ければ長いほど、病気になりやすく、1つの病気はその部分だけが問題なのではなく、身体の他の部分の不調ともつながっているということです。
交感神経、副交感神経がうまく交互に働く状態、つまり適度なストレス、適切な休息が繰り返されている状態が、クオリティ・オブ・ライフ(=生活の質)の高い社会生活には欠かせないのですが、過度なストレスが続きすぎると病気に繋がります。
「心と身体の過緊張」が、病につながると久島先生は説明してくださいました。
ストレスを開放するには、呼吸、睡眠、排泄が大切
久島先生が患者さんを診るときに、次の3つを聞かれるそうです・
- 呼吸はきちんとできていますか?
- 睡眠はできていますか?
- 排泄をしっかりできていますか?
ストレスにさらされた状態が長く続き過ぎると、自律神経の乱れが起き、異常をきたします。その結果、立ちくらみ、集中力低下、慢性疼痛(腕や足、腰などの痛み)、頭痛、心の不調などの自覚症状が表れてきます。
講話の途中で、聴講者の皆さんが参加した実験がありました。<立ち上がって1分間そのままじっとしている>、というものです。これでどんなことが体感できるのでしょうか?
立ち上がるために、まず交感神経が働く。
立ち上がってしばらくすると、交感神経は落ち着き、緊張状態は緩む。
つまり、交感神経の適度な緊張は、私たちの日常の動作に無くてはならないのです。しかし、その緊張を自然に緩めることができなくなると、これが体の不調を引き起こします。
この日の実験でも、数名の方が立ちくらみを訴えていらっしゃいました。
緊張状態を緩めるためにすぐにできるのが、「呼吸」。とくに、「ゆっくり吐く」ことが大切なのだそうです。ストレスが溜まっているな、と思ったら「ふ~」と、ゆっくり吐くといいのですね。
自律神経と免疫
ストレスがたまったときには、
- 自己表現する機会を作る(趣味でも良い)
- よく笑って、ナチュラルキラー細胞を活性させる!
こうした積み重ねが大切なのだそうです。
ナチュラルキラー細胞(NK細胞)という言葉を聞いたことがある方も少なくないのではないでしょうか?
久島先生は、AHCC®の臨床試験を行っています。AHCCを飲んでいた群では自律神経バランスが整い、NK細胞も活性化されていたという研究結果が報告されています。
「身体と心のバランスが整うと、身体がより自発的に健康になれる力を呼び起こしてくれると期待している」ということをおっしゃっていました。
「難しい学術的、学問的な話もありますけれど、AHCC®は身体と心がうまくつながる、そんな手助けをしてくれているようです。」
久島先生のお話は、私たちにとって身近な話題も多く、会場にお越しの皆さんも頷きながら聞かれていました。
<第2部>アナウンサーががんになって改めて知った言葉の力
第2部では、元テレビ朝日アナウンサーの山口容子さんがお話下さいました。
山口さんは2005年、45歳の時に乳がんを発症し、摘出手術を受けています。術後は抗がん剤の治療も受けられました。2006年右リンパ局所再発があって治療し、現在は元気に過ごされています。
山口さんは言葉を扱う、伝える仕事をしていることから、がんの治療中には医療機関でかかわる方、身近な友人など、数多くの人たちからかけられる言葉に勇気も元気ももらったそうです。
山口さんに光をもたらした言葉の数々
がんと闘いながら、不安でたまらない日々を送っていた山口さん。主治医の先生、看護師さんとたくさんの方に声をかけていただき、その都度、一つ一つが胸に刻まれていったということでした。
「この際、生まれ変わったつもりで180度違う生き方をしてみたら?同じ環境で同じ考え方に戻ったら、3年以内に必ず再発しますよ。」
山口さんは、ある時先生にこう言われました。病は気からという言葉がありますが、まさにこの言葉をもらった時にはっとしたそうです。
「病は恩恵」
これは、<認知行動療法=捉え方を変えて行動を変えること>を提唱するDr.カールサイモントンが大切にしていた言葉です。これも、生きる原動力になったそうです。
「人間はそれほど弱い生き物ではないと思う」
鍼灸師の先生にかけてもらった言葉に、内側から生きる力が湧いてきたそうです。
「次の診察の日まで病気のことは忘れてください。その間にどれだけ楽しいことがあったか、お互いに報告し合いましょう!」
信頼する主治医からは、そんな素敵な言葉をかけられたそうです。
「にも関わらず笑う」
死生学を伝える、上智大学の名誉教授 アルフォンス・デーケン先生の言葉です。このたった10文字に、大きな力が秘められています。山口さんが大切にしていることは、ネガティブをポジティブに変える、「笑う」ということを忘れずにいたことでした。
笑うことは、ただ。笑っても泣いても、時間が過ぎるのは同じ。そんな心持ちで、山口さんはがんの治療を乗り越えてきたそうです。
ハッピーボイストレーニング
山口さんのお話の後半では、聴講者の皆さんも参加するボイストレーニングがありました。
山口さんは、アナウンサー学校の講師もしていらっしゃいます。ご自身の闘病を終えた後に使命感をもって関わっていらっしゃるアナウンサー学校で実践している「ハッピーボイストレーニング」を、私たちも少しだけ体験させて頂きました。
明るい声は明るい表情から、ということで、ワークを取り入れた取り組みに、会場は笑顔いっぱい、笑い声に包まれ、室温も上がったように感じました。
これからますます寒さも厳しくなりますし、そういうときこそ、深呼吸、心身のバランスを保てるように、明るい声で、笑顔で過ごすことを意識していきたいですね。
私たちの自然治癒力を再確認できる、そんな明るいセミナーは大盛況に終わりました。
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いよいよ2016年も残りわずか。この夏に始まったAHCC®倶楽部、ご愛読いただきありがとうございます!
2017年も、あなたとあなたの大切な人たちが笑顔になれるお話をご紹介させて頂きたいと思いますので、引き続きよろしくお願い致します!
良いお年を。
あなたとあなたの大切な人にとって、2017年も笑顔がいっぱいの日々になりますように!