セミナー開催報告「がん治療の新たな可能性」2016年10月22日(土)in大阪

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2016年10月22日(土)、株式会社グランヒル大阪様が主催の一般市民向け「がんセミナー」が大阪にて開催されました。

セミナーでは、奈良県のやわらぎクリニック院長、北 廣美先生より講演をいただきました。前向きになれるヒントがたくさんですので、ぜひお読みください。

 

がん治療の「今」

がんの治療では、

  1. 手術
  2. 抗がん剤
  3. 放射線

の3つが「三大療法」と言われています。

最近では、この三大療法に加え、「補完代替医療」が少しずつ広まってきました。

「三大療法になり替わるもの」ではなく、「今の治療を補って心と体を総合的にみる医療」、というスタンスです。三大療法と補完代替医療を組み合わせて、「統合医療」とも呼ばれます。

補完代替医療には、サプリメント、アロマ、鍼灸、ヨガなども含まれます。世界最先端のがん研究が行われているMDアンダーソンがんセンター(アメリカ)等でも、がんの治療では三大療法に加えて、サプリメントやヨガ等を導入しています。

日本でも、厚生労働省がん研究班の発表では、44.6%のがん患者が何らかの「補完代替医療」を選択しているというデータがあります。

 

治療とは、命をまもること

今回ご講演下さった北先生は、まさに三大療法と補完代替医療を組み合わせ、患者さん一人一人のための医療を実践されている先生です。

セミナーが開催された日は、西日本も冷え込んだ日でした。北先生は開口一番「今日は寒いですね!みなさんまず手を温めてくださいね!」と、左右の手をこすって血流をよくする”手もみ体操“を促されました。みなさん一緒に実践され、一気に和やかな雰囲気になりました。

北先生は腹部外科の専門医としておよそ40年の経歴をお持ちでいらっしゃいます。いろいろな治療がある中でも、「治療とはまず命を守ること」が大切だと先生は言います。

病気にとらわれるのではなく、どんな目的や目標を持って生きていくのか?先生のところに来られた患者さんにはまず、そのお話をなさるそうです。心が元気になりそうですよね。

 

セカンドオピニオンも大切

今はセカンドオピニオンもずいぶんと利用しやすくなってきました。北先生がおっしゃっていたのは、「大切なことは、自分の命を守るためにセカンドオピニオンをもらおう、という姿勢」ということでした。

欧米ではセカンドオピニオンを利用するのは当たり前のことです。日本は奥ゆかしさのある国民性のためか、ひとつの病院の先生の話のみに集中する方も多いそうですが、それにより残念な結果となるケースも実はあるそうです。

私たちの体は自分でしかコントロールができません。自分で自分の命を守るため、別の先生の視点を取り入れることも視野に入れておきたいですね。

 

免疫を高める方法

先生はがんの予防についてもお話しくださいました。食事が乱れているとがんになりやすいのです。良い食材は、にんにく、緑黄色野菜、玄米や雑穀米、階層、キャベツ、ニンジン、などなど。これらを「毎日」摂ることが、病気知らずの身体作りの第一歩なのだそうです。

他方、“漢方”で良いのは、補中益気湯(ホチュウエッキトウ)、十全大補湯(ジュウゼンダイホトウ)など。甘草、しょうが、にんにくも病気予防の上位にランクインする食事です。

 

がん克服にかかせない4箇条

  1. 家族の協力
  2. 信頼できる主治医
  3. がんの正しい情報
  4. 心の安定

こちらが、北先生の提唱するがん克服4箇条です。

「心の安定」も非常に大きな要素ですよね。北先生は具体的に、患者さんの心が安定するための方法も治療で取り入れているそうで、効果はてきめんだそうです。

そしてこれからのがん治療に必要なことは、

  • 身体に負担をかけないもの
  • がんの特性に合った治療を選択すること

この2つだと北先生は強く伝えます。

 

サプリメントの飲み方=症状が落ち着いているのであれば続けたほうがベター

質疑応答タイムでは、参加者の方からサプリメントの併用に関して、「最初は効果があるような気がしていたが、次第にそう感じなくなってきた。続けるべきかどうか?」との質問が寄せられました。それに対して、北先生は次のように返答されていました。

「サプリメントや健康食品も“続けること”に意味があります。どのようなサプリメントでも、ある一定のところまでは効果を実感しやすいのですが、身体が健康になるために必要な量というのは決まっています。効果を実感しなくなったということは、しっかり飲んでいるからこそ身体が反応している証拠です。

大切なことは、今症状が落ち着いているのであれば、それは効いている証拠、ということ。不安に感じてあれこれ飲んだり飲まなかったりするのが一番もったいないことなんですよ」

 

この回答に、多くの参加者の方は深くうなずいていました。

そのほかにも質問がありましたので一部ご紹介します。

 

Q.経済的に購入し続けるのが厳しいのですが

A.できれば続けるのが良いが、飲める範囲で飲む方が、全く何もしないよりは良いのでは。

 

Q.癌の時には食べてはいけない食材はあるか?

A.食事は、何を食べるかよりもおいしいと思って食事することがなにより大事。食べていけないのではなく、食べ方に配慮しましょう。

 

北先生のお話は、多くの方を勇気づけたようでした。

次回は、10月29日に札幌で開催されたAHCC市民公開講座、タレント・原千晶さんの「がん闘病記~大切にしたい私の体~」講演レポートをお届けいたします。

お楽しみに!