「自分次第!自ら参加し、自律し、自分の身体と“共生”していくことが大切~前編~」インタビュー:管理栄養士 北川恵子先生(コンフォート栄養食物研究所/札幌市)

今回は、札幌市のコンフォート栄養食物研究所 代表 北川恵子先生のレストランに伺い、取材をさせていただきました。

北川先生は、病院で臨床管理栄養士として長年勤務したのち、平成11年に栄養指導も受けることができる健康食レストランをオープンさせました。

 

“いかに介護を受けずに生活するかは自分次第。不要な薬はできるだけ減らして自らの身体を保つ力を、食事を通して身に付ける必要性を感じてもらいたい”

この想いを込めて、先生は厨房に立ちながら栄養指導に熱心に取り組まれています。

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北川先生がかつて病院ではなかなか実現しなかった「実践型」の栄養指導サポートがお客様に大変喜ばれているそうです。

インタビュー前半では、この日先生が用意してくださった献立についてのお話しと、お客様の体調やご年齢、症状などに合わせてどのように食事を提案しているのかについて伺いました。

 

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*取材日(10月6日)のお献立

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・発芽三穀志御飯
・若鶏の豆乳鍋
・栗南瓜のオーブンチーズ焼き
・柿の紅葉酢の物
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熱量 608kcal
炭水化物 109g
たん白質 28g
脂質 14g
塩分 1.9g
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【補足】
メニューは日替わりで、毎日このように内容と栄養素が掲示されているため、自分が何をどれだけとっているのか、把握できる点もとても魅力です。

外食ではなかなかここまでの栄養バランスで摂取することは難しいため、人気を集めています。


 

-ボリュームのあるお食事ですね!献立について教えてください。
kitagawa9-03ボリュームが多いとみなさん最初はそうおっしゃいます。

この量で600キロカロリー台なんですよ。20品目以上入っています。

献立にもやはり四季折々の季節感のある形の創作料理をお出しします。

あとは、だし文化です。日本食は世界遺産になりましたけども、だし文化を活かすことが私の基本ですね。

栄養バランスを考え、昼食だけで野菜250グラムが摂取できるようにしてあります。

 

-「北海道らしい食づくり伝承名人」認定とのことですが、北海道の食材はおいしいものが多いですよね。昼食をいただいて野菜のおいしさにビックリしました。お出汁がとても優しい味です。先生の食卓では地物のおいしさを知ることができそうですね。

これだけ多種多様の食材が食べられるのだということをお伝えできたらなと思いまして、毎日同じ物は出した事がないんです。

四季折々に出しておりますので、毎日何が出るか分からないんですよ。

 

-祝祭日を除く年間300日間ほど食事を提供されていて、同じものを出したことがないというのは素晴らしいですね。

春は芽吹き物、夏は体を冷やす物、秋になると肺を良くする物や心臓を良くする物、冬は温める物、という風に基本の食材を取り入れています。それが薬膳の考え方です。

“食は医なり食は薬なり”というのが私の基本の言葉です。

それに基づいて食事療法をおこなっています。食事で人生を豊かに前向きにしてもらう、そういうお手伝いをさせていただいています。

 

-普段どのようなお客様が来店されていますか?

病院から退院後の方、入退院を繰り返している方、がん闘病中の方から、子育て中の30代のお母さん、食事に気を付けたい健康志向の方まで様々です。

「栄養が取れておいしいごはん」を心掛けて作っていますので、偏ることなくみなさん残さず食べていかれます。

以前私が臨床管理栄養士として勤務していた病院の患者さんで、もう24年も通って下さる方もいます。

退院当時のHbA1cは9.4%。合併症起こすような状態です。退院した日に私のお昼食を食べて感動されて、それからずっと24年間続いておりまして、今87歳。お元気にされています。お薬も16錠飲んでいたのが今は4錠で、身体への負担が少なく、良くなっていらっしゃいます。

 

-食事指導と言っても人それぞれ必要な内容は違うのではないでしょうか。年齢別や体調別に、どのように支援されていますか?

お一人お一人に合わせて、変化をつけています。

ここで昼食を食べていただいても、1日あと2食はご自身で摂取することになるわけですが、高齢者の独り暮らしの方はどうしても偏りがちです。

そこで、できるだけお昼食でしっかり栄養を取っていただけるように工夫しています。
有名プロゴルファーの方の栄養指導もご縁がありましてさせていただいています。

血液分析、食事指導をおこなっています。ささ身を多く取り入れて、タンパクを強化するようにご指導したところ、その方は腰痛がだいぶ改善されて前向きになっておられますね。

 

-がんにかかった方の栄養指導も取り組まれていると伺いました。

kitagawa9-02今やりとりさせていただいている患者さんは、まずここに来て先に昼食を食べていただいてから、一緒に検査に同行しています。

血液検査の結果を見て、栄養状態を見て、食事に反映するようにサポートする、ということもしています。

それから1日1~2回の体重測定、血圧測定も必ず自分でしていただいていますね。

 

食事はもちろん一番大切なのですが、がんの方は抗がん剤などの併用もありますから、食事だけの療法ではどうしても限界があるんです。

私は元々あまりサプリメントなど好きではなかったのですが、身体にもともと備わっている抵抗力、免疫力などが落ちると、食事からの栄養の吸収力も落ちていきますので、他に方法がないかと探しました。

 

栄養を摂っても、身体が栄養を受け取れる状態でなければ仕方がありません。栄養の吸収力を上げるために、サプリメントの摂取もおすすめしています。

サプリメントを選ぶ時も基準があります。

どれでも良いわけではなく、AHCC®のような「安全な食品からできているサプリメント」でしたら、身体に負担もかかりにくいですしおすすめできます。

健康な体、正しい食事、身体の機能を最大限引き出してくれる補助食品、そしてその方の「健康に向かおう」という気持ちがなにより大切ですよね。

私も、お客様も二人三脚のつもりで、健康に向かっていただくために日々取り組んでいます。

 

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~編集部よりコメント~

まずは毎日の食事を見直すこと、一人で考えずに専門家に相談することが、私たちの身体が健康で丈夫に向かう秘訣なのだと思います。

身体は食べたもの、口に入れたものからできています。

今この瞬間から健康な食事に目を向けるか、今までと同じことを続けていくか、決めるのは他でもない“自分自身”なのだと、先生の話を伺って強く感じました。

先生のお話は後半に続きます!どうぞお楽しみに!

 

 

<北川先生プロフィール>

北川 恵子 /コンフォート栄養食物研究所

22年間に及ぶ病院での臨床管理栄養士経験を活かし、平成11年、日本初となる目で見える実践指導の場としての健康食レストランを併設した、「コンフォート栄養食物研究所」開設

~略歴~
昭和48年 北海道栄養短期大学食物栄養学科卒業
昭和54年 石狩市内の病院に栄養士勤務
昭和61年 管理栄養士取得
平成11年 コンフォート栄養食物研究所設立
平成15年 研究所を札幌市中央区に移転
平成16年 高度医療内科クリニック(稚内市)副院長に就任
平成23年 「北海道らしい食づくり伝承名人」認定

日本最高栄養指導・相談件数は30万人以上。

モットーは「”食は薬なり、食は医なり”」
<コンフォート栄養食物研究所 詳細情報>
営業時間 9:00~17:00
昼食 11:30~14:00
定休日 日曜・祝日
※火曜・土曜は不定休
TEL. 011-223-1338
ホームページ:http://r-comfort.net/index.html