今回のインタビューでは、札幌市の櫻井内科・胃腸内科の櫻井智康先生にご登場いただきます。櫻井先生は、ご自身が大腸がんから回復したがんサバイバーでもいらっしゃいます。
日々患者さんと向き合いながら、ご自身の体験からの共感と確かな知見で、患者さんの立場に立った治療を心掛けておられます。クオリティ・オブ・ライフ(=生活の質)を追及したいと願い、迷う患者さんのサポートに取り組む想いとAHCC®にまつわる話を、前後半に分けてお届けします。
前半では先生の専門分野について、そしてご自身のがん体験についてまとめました。
―先生の専門分野・ご経歴を教えてください。
「昭和42年に札幌医大を卒業し、札幌医大、東京女子医大放射線科に勤務しました。大学卒業以来、開業まで一貫してがんの診療にあたってきました。当時から放射線科専門でした。主な専門領域は、癌の診断と治療・胃、大腸内視鏡診断・超音波診断です。
平成元年6月、櫻井内科・胃腸内科科を開業しました。検査に当たっては内視鏡技術が欠かせませんので、そのための修行も当然積みました。
内視鏡は今でこそかなり普及しましたが、私が取り組んだ30年ほど前はまだ一般的ではなく、最初は大変苦労しましたが、内視鏡の専門家の先生のところに毎年通い詰めて技術を磨きました。胃カメラ、大腸カメラは病気の早期発見につながる重要な手段です。
開業してからは延べ18000件以上、内視鏡カメラを使った診察をおこなってきました。内視鏡で検査をおこない、何か心配事が見つかれば治療に進みます。」
―大腸がんを経験されたと伺いました。がんが見つかってからどのように過ごされましたか?
「私は今から20年前、平成8年の7月に大腸癌になりました。非常に進行した大腸がんで、長くもって1年くらいだと、こういう風に言われたんですね。
それでしょうがないなと、そうなっちゃったんだからしょうがありませんね・・と、思っていたんです。」
―AHCC®のことを知ってから、どんなきっかけで取り入れられましたか?
「たまたまAHCC®の記事が新聞に出たんです。私の兄がその新聞を見ていて、記事を送って来たんです。それがAHCC®との最初の出逢いでした。
ところが、当時は、どこに行って誰に話を聞いたら良いのかがよく分からなかったんです。そんな中、私が国立札幌病院に入院したとき、がん研究班の研究員の中に北海道大学の細川真澄男先生がいらっしゃいました。
当時、AHCC®の研究をリードしていた先生です。かつて私が国立札幌病院で医長をしていた時、細川先生は講師をしておられました。
細川先生に伺えば何か情報が得られるかもしれないと思い、話してみたんですよ。
それ以来、20年になります。今でも、私もAHCC®を飲んでいますよ、という話をすると、『櫻井先生が飲んでいるんだったら安心だし是非飲みたい』とおっしゃる方もいます。」
―当時は、ご自身も治療を受けながら、患者さんを診ていたわけですね。
「はい。がんと診断されたけれど、今は元気だから元気なうちは何とか診療しようと。もし診療ができなくなったらカミさん達に『実はもう無理だ』という話をして止めようと思っていました。
当時まだ56歳の働き盛りで、事業の都合もあり借金もたくさんありましたね・・・だから何とかしたいと思っても借金はあるし、保険で何とかしようとも思っても賄いきれないような額で、家内に借金を残して逝かなくてはいけないと、この事は物凄く苦しかったですね。
機能性食品だけでなく、普段の食事も変化をつけました。あとはもっと身体を動かそうと、散歩を始めました。
がんになって頭はパニックだけれど、できるだけ朝早く起きて散歩しました。気功が良いと言われたから習いに行きたいけど時間もないから、気功のビデオを買ってきて物真似もしていました。
朝早く大きな木の下に立ってやってたら、何やってるんですか?って聞かれますでしょう・・・『気功が良いと言われてるから、気を入れてるんだ』と、こんな事を言って、今考えてみると他の人が聞いたらバカみたいに聞こえるかも知れませんが、私にしたら必死でしたね。
そういう事をやって過ごしてきたわけです。」
―先生が健康を取り戻された秘訣は何だとお感じですか?
「とにかく前向きにやるということです。気持ちが身体に与える影響は大きいですから。イメージ療法っていうのもあるんですよ。
実際、とても有名な治療法です。身体が健康になるというイメージを持つと、よくなるというものです。
当時の自分は、それが本当かどうかはわからなかったけれど、とにかくあらゆることをやりました。」
―それから元気になられて・・周りも元気づけられたのではないですか?
「当初はあと1年もたないと言われていたのが、半年たち、1年たち、いつの間にか数年経っていました。それからはホスピスの講演も頼まれましたよ。こういう事をやっているという話もしました。
やれるだけのことをやったからこそ今があると思っています。」
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櫻井先生のお話は後半に続きます。
先生自身の体験に加えて、患者さんとの会話と、病気に向き合うときの気の持ちようや先生が治療にあたるとき大切にしていること、そして健康になれるヒントを語ってくださいます。
後半もお楽しみに!
プロフィール
櫻井 智康 /櫻井内科・胃腸内科院長
昭和42年札幌医大卒、以後札幌医大、東京女子医大放射線科勤務。
昭和47年1月より国立札幌病院に勤務。
昭和52年同病院放射線科医長。
大学卒業後、開業まで一貫してがんの診療に従事。放射線科専門医。
平成元年6月、櫻井内科胃腸科院長。
櫻井内科・胃腸内科公式ホームページ: