先日7月9日(土)10日(日)、統合医療機能性食品国際学会第24回年会が、札幌市のホテル「ロイトン札幌」で開催されました。今日から役立つ内容を皆様にもお知らせしたく、コラムのテーマに取り上げました。
<ICNIM2016 内容>
- 統合医療と機能性食品の最新情報
- AHCC®他、機能性食品成分の最新臨床試験、研究結果、および見解の報告
※「統合医療」とは?
近代西洋医学と相補(補完)・代替療法や伝統医学等とを組み合わせて更にQOL(Quality of Life:生活の質)を向上させる医療であり、医師主導で行うものであって、場合により多職種が協働して行うもの。」※厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』「統合医療情報発信サイト」より引用
(http://www.ejim.ncgg.go.jp/public/index.html)
統合医療という言葉を聞いたことがある方もきっといらっしゃることでしょう。今回の学会には、日本を始めアメリカ、欧州、東南アジア、中東からも含めて、過去最大31カ国から参加者が集まりました。2日間に渡り、国境を越えて熱心な議論が交わされました。
健康のためにはまず食生活、その次に適切なサプリメントを選ぶこと
基調講演では「がん治療における栄養学とサプリメント:米国の現状について」と題し、世界的ながん治療の権威であるメモリアル・スローン・ケタリング・がんセンター統合医療科 医長ゲリー・デン先生より、臨床現場での食生活と、サプリメントにまつわるお話をされました。メモリアル・スローン・ケタリング・がんセンターと言えば、MDアンダーソンがんセンターと並んで最高峰とされる世界最先端のがんセンターです。
デン先生の基調講演では、消費者でもある私たち一人一人がいますぐ気をつけておきたい、笑顔で健康でいられるヒントも共有されましたので、その一部を皆様へご紹介いたします。
サプリメント活用も食生活も「正しい知識を得て」選ぶことが大切
デン先生は、次のように報告されていました。
“サプリメントの活用可能性や選択肢が広がっているからこそ、「正しいガイドが必要」。健康促進の助けとなるサプリメントの中でも、「今この状況でどのサプリメントをどれだけ飲んだら良いのか」については、情報が様々あるため、消費者が混乱してしまわないように医療現場からも正しい知識の提供が欠かせない”
米国では、がん患者が最も多く先生に質問する内容のひとつが食生活全般を含む「栄養」についてだそうです。デン先生はこのようにもお話されていました。
“多くのがん患者が、「サプリメント」に興味を持っています。がんの専門医はがん治療の専門家であっても、栄養学の専門家ではないため、専門知識を持ち合わせていないケースも起こり得ます。統合医療の知識と知見の発展によって、これまでは患者自身が「先生に言われた通り」しか選択肢がなかったわけですが、インターネットの普及により、いつでもどこでも情報を取りに行くことができるようになった。ネットにある知識だけでは網羅できないので、そのための適切なガイドが必要であるように思う。”
健やかな食生活のポイント
デン先生から、食生活においての解決策・指導案も示されました。
- 砂糖と脂肪は少なく
- カロリーは適切に
- (若い方は)低タンパク食がおすすめ
- 野菜をしっかり摂取する
- ナッツや豆を摂る
- なるべく加工されてないものを食べる
- 夜ご飯から朝ごはんまでは13時間あける
- 偏食しない
- 食べ物は全体を食べる
- 食品添加物をできるだけ減らす
- 新鮮なものを旬の時期に食べる
- 家庭で食べる
- できるだけ産地に近い地域で食べる
- 腹八分目にする
- 規則正しい生活をする
- 楽しく食べることを意識する
上記を踏まえた上で、サプリメントを組み合わせることが大事、というお話です。ご覧になってみて、いかがでしょうか。
ここにあるアドバイスを一見すると、どこかで聞いたことがある、私たちが知っているヒントも並んでいると思いませんか。専門家の現場でも、こうした食生活の原理原則が今一度注目されているということのようです。
答えはもちろん一つではないですし、自分の体の主(あるじ)は、自分自身です。私たち編集部も、今回の発表によって今一度、基本的な土台となる食生活があってこそ、その先が叶うということを感じました。今後も皆様にこうした健康にまつわるお役立ち情報を、続けてお届けして参ります。