サッカー プロフェッショナルレフェリー西村雄一氏に聞きました【後編】

Jリーグの審判員として活躍される西村雄一さんにお話を伺いました。前編はこちらからお読みください。(西村雄一氏インタビュー【前編】

 

-体調管理で大切なことは「疲れをためないこと」とお話しいただきました。西村さんのサプリメント(健康食品)の飲み方を教えていただけますか?

試合前日に飲んでから睡眠を取り、当日朝、朝食と一緒に飲みます。私個人の体感で直接の因果関係はわからないのですが、AHCCⓇを飲み始めてから花粉症の症状が和らいで、気づいたら医者にかかる回数が減っていたんですよ。

身体と心の両方のバランスをとることが常に欠かせないですから助かっています。健康でいられれば、いい状態で仕事ができます。

 

-試合ごとで限られた時間の中で、選手とはどのような言葉を掛け合っていますか?

試合前に選手たちに必ず声をかけています。「お互いにリスペクトすることを忘れないで!私たちレフェリーもその仲間に入れてもらえると嬉しい。」といった言葉です。

リスペクトとは、「人対人でお互いを大切に思う」状態のこと。選手もレフェリーも人間なので、間違いが起こることもあります。

ですから、お互いを尊重することが大切です。我々スポーツマンには、なにより正直さが大切なのではないかと思います。

 

-西村さんは若手育成もされていらっしゃいますが「互いをリスペクトする」ことは、育成の世界でも同じことが言えるのではないでしょうか?

そうですね。私自身は、「上に上がってトップを取ってやろう」と思うよりも、「本物のレフェリーになるんだ」という気持ちを強く持っていました。

意欲的な若手レフェリーと接していると、「絶対上に上がるんだ!」といった気迫を感じることもありますが、心から相手をリスペクトできるレフェリーでなければ一流にはなれないと思います。

“西村さんのようなレフェリーになりたいです!”と言ってくれることがあって嬉しく思いますが、「自分が本物のレフェリーになるんだ!」くらいの意気込みがあるといいですね。本物のレフェリーとは、「選手を支えるプロ」のことだと私は考えます。

 

-西村さんの考え方は、サッカーに限らず他のことにも置き換えられそうですね。

日常生活に置き変えられますよね。誰かにジャッジを委ねるとき、すべてが正解ではなくて、間違いだったことに気がつくこともあるはずです。そんな場面があっても、心がけ次第で受け取り方、結果、未来まで変わってきます。

誰でも間違いはあるものですし、自分の判断だけでなく、色々な人の声を聞きながらも、受け入れることを決めているのは自分ですよね。「自分ですべての責任を持つ」ということが大切です。

相手も自分の判断も尊重できていれば、後悔することもないですし様々な判断に自信が持てるはずです。

 

-ありがとうございます!最後に読者の方へメッセージをいただけますか?

もしなにか目標があるのなら、どこかで聞いたことがあるかも知れませんけれど、夢中になって頑張ってみるのはいかがかと思います。

誰かをサポートする立場にいるなら、本人が夢中になれるようサポートしてほしいですね。

あとは準備する努力です。健康を保つための努力をして、持てる力を最大限に発揮できるようでなければ、夢や目標の実現は難しいのは当たり前のことです。

準備不足では、なにか問題が起きたときどうしよう…どうしよう…と、頭が真っ白になってしまいます。いちばん良くないのは、「準備しないこと」「チャレンジしないこと」ですね。

やっておけば良かったと思いたくないですよね。チャレンジしたって上手くいかないことはありますから。チャレンジしなきゃ何も始まりません。

ミスは繰り返さないようにすれば良いだけです。またチャレンジすることです。

 

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西村さん、心に響くお話をありがとうございました!

 

西村雄一(にしむら ゆういち)氏

プロフェッショナルレフェリー。2014年のFIFAワールドカップ(ブラジル大会)では、開幕戦の主審を務める。国際審判員として活躍後、現在はJリーグの審判として活躍。