サッカー プロフェッショナルレフェリー西村雄一氏に聞きました【前編】

今回は、2014年FIFAワールドカップ(ブラジル大会)の初戦で主審を務められた西村雄一さんのお話を紹介します。

いくつもの試合で国際審判員として活躍され、現在はJリーグの主審を務められています。体力、知力勝負の仕事は、まさに健康第一。

「回復力」が大切だという西村さんの体調管理についてもお話いただきました。

 

-レフェリーになったきっかけ

ワールドカップから本当に周りの方にも助けていただいたお陰で、審判員として継続してやらせていただいています。2014年に国際審判員を引退後、Jリーグのレフェリーをさせていただいています。

私は中学校までは普通のサッカー少年でした。高校に入ってから審判の資格を取りまして、社会人になってからは10年間営業マンをして、アマチュアで審判を続けていました。30代からプロフェッショナルレフェリーの世界に飛び込んだという形です。

レフェリーの仕事を選んだのは、サッカーが大好きだったからです。少年サッカーの選手達を教えていたとき、サッカー界ではよくある話なんですが、判定のミスがあるんですね。

子ども達が悔しがる顔を見て、これではちょっと違うな、と思ってサッカーの審判をやってみようと思い立ったのがきっかけです。

 

-レフェリーの視点とは

どのスポーツもそうだと思うのですが、スポーツは選手のためにありますから、その中で審判員にはどういうことができるのか?を常に考えます。

選手を支えるサポートを、選手と一緒の場所からやっている、とも言えますね。

どの大会も重要ですが、判定を間違えれば今日レフェリーとしてこの場に立っていません。自分の納得がいくようにしながらも、判定ひとつで世界中の方々から賛否両論いただく仕事です。

レフェリーとして的確なポジションから見えたものに正直に対応しながら、選手の活躍を間近で支援します。

例えば、香川選手でしたらセレッソ大阪というチームでしたし、長友選手ならFC東京にいましたが、Jリーグの場で素晴らしいパフォーマンスを発揮して海外に移籍をしていくわけです。

彼らが1歩1歩夢を叶えていく過程に居合わせる事は嬉しいですね。

でも、もし私の試合で違う判定をしてしまえば、道が変わってしまうかもしれないんです。

レフェリーの使命は、選手の活躍をサポートすること。それが自分のためにもなる。選手が活躍すると、スポーツの醍醐味でもある「感動」が生まれます。

 

-レフェリーになるには

選手と同じピッチに立つために通過すべき体力テストがあります。

具体的には、40メートルを6回、1分30秒ごとに6秒以内で走るというテスト受けた後、50メートルを30秒で歩き、150メートルを30秒で走るというのを20セットやる。

こうしたテストをパスしないと、ピッチには立てません。

定期的にこのようなテストを受けます。常にコートを斜めに走りつづけ、ボールや選手の動きを先読みしていかなければならないので走るスピードも求められますから、こうしたテストは欠かさないという仕組みになっています。

 

-正しい判断を支える五感と「回復力」

見る、聞くなど私たちは五感を使って情報を得ますが、サッカーのピッチではボールを追うだけでなく、さらに周辺の様々な情報を得なくてはなりません。

目の前に人がいて、「裏にパス出して!」という声が「視野外」から聞こえたら、『こっちにパスが来るんじゃないか?』と予測します。

レフェリーは予測をしなくてはならない仕事です。

ものの「見方」、「聴き方」にも様々ありますよね。聞こえていても聞き流すこともあれば、注意して聴くこともありますし、聞こえない距離にいても「しぐさ」や「状況」で、“相手はきっとこう言ってるはずだ”、と想像しながら聴きに行くこともありますよね。

五感を鍛えるトレーニングは欠かせません。

それから、「回復力」が大切です。疲労をため込まないことも仕事のひとつですね。

回復力に関しては本当にアミノアップさんの製品は僕にとって素晴らしい結果をもたらしてくれています。サプリメントが、有力な味方になります。

それから、疲れをためない走り方、体の使い方、トリートメント治療をやっていますね。

 

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-緊迫した試合を支える舞台裏には、常に最高のパフォーマンスを発揮するための努力がある-

プロフェッショナルレフェリーとして的確なポジションから適切な判断をする仕事の奥深い世界を垣間見ることができました。後半記事では西村さんのインタビューをお送りいたします。仕事観、人生観についてもお伺いしました。

次回もどうぞお楽しみに!

 

西村雄一(にしむら ゆういち)氏

プロフェッショナルレフェリー。2014年のFIFAワールドカップでは、開幕戦の主審を務める。国際審判員として活躍後、現在はJリーグの審判として活躍。